政治家と霊能者。全てのまつりごとは「お告げ」で決められている。
重要なポイントの要約
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政治とオカルトの歴史的癒着
古くは卑弥呼の時代から、近現代ではレーガン元米大統領や日本の歴代首相に至るまで、政治判断の裏には常に霊能者や占星術師の「お告げ」が存在し、時に歴史を左右してきた。 -
具体的な霊能者の影響力
宜保愛子をはじめ、表には出ないが無名の霊能者やフィクサーが永田町で暗躍している。彼らは政治家の身内の秘密を言い当てたり、解散時期や人事について具体的な指示を与えたりして信頼を得ている。 -
現代に続く依存構造
「慧光塾」のような宗教的団体や個人の指南役に対し、現役の総理経験者や大手企業経営者が依存する構図は今も変わらない。国の重要政策が合理的な判断ではなく、霊的な助言によって決定されている可能性がある。
魑魅魍魎の政治の世界に身を置く政治家たちは、様々な局面で様々な判断を迫られる。その判断を下す時、彼らは何を基準にするのか。自らの政治的信念か、それとも第三者によるお告げなのか。政治家の背後に見え隠れする、霊能者たちの影を追った。
百鬼夜行の政界。見えない何かに操られると言われるほど、霊的なものにすがろうとしたり、験を担ぐ国会議員は驚くほど多い。「姫はじめは処女が良い」と、中国の中南海へ買いに行く議員すらいると聞く。しかし、こうした行為が度を越すと、政治判断の全てをある種の人間へ委ねてしまう事態が引き起こされる。ある種の人間とは誰か。それは霊能者と呼ばれる人間である。

時の政治家を多く見ていた宜保愛子。アメリカのレーガン元大統領に、占星術師のジョーン・キングレーという政治指南役がいたことは、補佐官ドナルド・リーガンの暴露でちょっとしたスキャンダルになった。レーガンの対ソ強硬政策は、そのジョージ・キングリー(※文脈からジョーン・キングレーの言い間違いと思われる)の指示に従ったものらしく、一説には核戦争を起こす寸前だったとも言われる。もし日本の政治家もこれらオカルトめいた人間たちの言葉に操られるとしたら……。
古来より日本の政治は、霊能者を通信に、神道を基本として国を治めてきた歴史がある。邪馬台国の卑弥呼もその頃だが、その霊能者たちのお告げは時として歴史を変える。第二次世界大戦の開戦や終戦も、当時の政府に極めて近い霊能者の進言によるものだったと、政治関係者の間で噂されている。
霊能者といえば、昨今ではスピリチュアルカウンセラーなどと呼ばれる江原啓之などが有名だが、メディアで活躍した霊能者の先駆けといえば、やはり亡くなった宜保愛子が有名だろう。生前、彼女と親交のあった人間は証言する。彼女は渡辺美智雄や、当時の大臣や実力者などの政治家を多く見ていた。あとは九州のどこかに埋蔵金があって、それを探しに行ったこともあるという。彼女は生前、ある大物政治家の霊視を自民党のHに頼まれていた。ただ彼女は「政府に殺されるから」と断ったらしい。政治家からの相談内容は多岐にわたる。「どうすれば総理になれるか」「日本の未来」「政敵の死亡時期」まで。ちなみに前述の証言にあった九州の埋蔵金は、実際に存在すると宜保愛子は断言していたという。

現在でも、政治家が隠れるようにして会いに行く霊能者が存在する。その霊能者は表には絶対に出ることがない初老の女性だという。初めて会ったのは10年くらい前、ある上場企業の社長の紹介だった。当時うちの議員は某省の政務官。場所は赤坂、東急ホテルの一室だった。(大臣経験議員の秘書談)
当初は紹介者である社長の顔を立てて会いに行っただけで、全く信用していなかったという。しかしその考えは一変する。「当たるなんてものじゃない。実はうちの代議士は、過去身内に不幸が起きそうな出来事があり、それを表に隠していた。しかしその内容は日時まで寸分違わなかった」。見た目は普通のおばあちゃんで、とてもそんな力があるようには見えないというが、以来この国会議員は霊能者を信じ、かつては郵政民営化に反対票を投じたことを始め、某市長擁立時には危険を極めていた(※聞き取り不明瞭、「棄権を決めていた」の可能性あり)。秘書はこの霊能者への取材を議員秘書に頼んだが、返答はNO。それどころか名前や住所、年齢など一切聞かないでほしいと言われた。衆議院解散や大臣の辞任を首相に指示した老人。こうした霊能者の他にも、霊能的な政治的指南役が政治家の影に存在するのは事実だ。
故・後藤田正晴に近かった人間は証言する。「消費税導入で人気を落としたT首相にも、指南役と言われた人物がいる。永田町に近いホテルの喫茶ルームに、毎週のようにいる老人。白い髭を生やした小柄な男性だ。元々は戦時中に思想運動をしていたという。昔から決して表に出ず、財界と政界を繋ぐフィクサー的存在だった」。一説には、統一哲医学(天風会)を創立した中村天風に師事し、修行をしていたとも言われている。晩年になり彼は「啓示があった」とT首相を呼びつけ、衆議院解散や首相退陣時期などを指示し、T首相もそれに従ったという。ただしこちらは霊能者というよりも、潜り抜けてきた圧倒的な政治的・政治史経験から「お告げ」という言葉を借りたのだろう。思想と宗教は突き詰めれば同軸戦場(※「同軸線上」の言い間違いと思われる)のものであるからだ。
安倍晋三総理が「慧光塾」という宗教団体にかつてマネージャーとして関わっていたことは、ライブドア問題時に各紙で報じられていたが、それは思想と宗教が同軸線上のものであることの一つのケースと言えるだろう。慧光塾の信者は政財界や芸能界と多岐にわたる。杉田かおると離婚した有名になった日産自動車の創業者の、一族の鮎川純太や、耐震偽装問題で揺れたアパグループの経営者、某有名ホテルの社長も、経営に関して助言という名のお告げをもらっている。某ホテルの階段には、一段ごとに塩が盛られていることは有名だが、これはこのお告げによるものだ。慧光塾の代表を中心に、政財界の新しい勢力ができたのは事実で、今や総理を脅かすことができる日本のメーソンとも言えるだろう。
古くから幾多の血を流す決議を決めてきた永田町周辺に、国家を恨む怨霊が巣食うと言われている。国会議事堂は関東大震災を挟み二度の火災・焼失を経て、地鎮祭から17年かけて建設された歴史を持つ。当時の政治家はこの議事堂建設が呪われていると恐れていたという。魑魅魍魎の世界において、国会議員といえば所詮生身の人間である。霊的なものにすがる気持ちもわからなくはない。ドタバタ劇を展開する政局、国民不在の政治。その背後で今日も多くの国会議員がお告げを授かりに、その類の人間へ会いに行く。もしかすると、あらゆる国家の重要政策、次期総理までもが、霊能者のお告げに委ねられている。そんな恐ろしい想像をしてしまうのは私だけであろうか。