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ケルトの英雄クー・フーリンが愛した、究極の槍 ゲイ・ボルグ

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ケルトの英雄クー・フーリンが愛した、究極の槍 ゲイ・ボルグ

 ゲイ・ボルグは、ケルト神話に登場する魔槍だ。意味は「雷の投擲」で、穂先に は稲妻のようなギザギザの切れ込みが入っている。

 

この槍で突き刺された者は、最初はたんに傷を負うだけだが、体内に入ったとた ん、三十もの切れ込みが開き、内臓をズタズタにされてしまう。

 

また、投擲とあるように、投げても百発百中である。投げた場合は切れ込みが三 十の矢となって敵に襲いかかる。所有者のクー・フーリンは、足を使って投げるという 独特な投法で、この魔槍の威力を倍増させている。

 

怪力無双の英雄が魔女から授けられた槍

 

アイルランドを中心に伝えられる、アルスター伝説最強の戦士クー・フーリンは、ケ ルト神話全体を通しても最強の英雄である。

 

クー・フーリンは太陽神ルーと、ドルイド僧カルヴァズの娘デヒテラの間に生まれ、 幼少時はセタンダと名づけられた。だが、鍛冶師クランの飼っていた巨大な番大を素手で倒し、「新しい番犬が育つまで自分が番犬の代わりをつとめよう」と申し出た ため「フーリンの猛犬(クー・フーリン)」と呼ばれるようになった。

 

怪力のクー・フーリンク・ホリンにとって並の武器は紙と同じであり、王から与えられた武器は すべて壊し、戦車も踏みつぶしてしまうほどだった。そんな彼がゲイ・ボルグを入 手したのは、魔女スカサハのもとで修行をしていたときのことだ。

クー・フーリンはフォーガルの娘エヴェルと恋に落ちたが、フォーガルはふたりの結 婚を認めなかった。そこで、一人前の戦士として認めてもらうため、影の国の王妃 でもあるスカーサハに教えを受けた。スカサハはクー・フーリンを気に入り、魔術や 武術を教えるとともに、巨大な海の獣の骨で作られた魔槍ゲイ・ボルグを与えた。 この槍はあまりに重いため、クー・フーリン以外には使いこなせなかったのだ。

ゲイ・ボルグを失ったとき、歴戦の勇者の武運も尽きる

ゲイ・ボルグを入手して帰国したクー・フーリンは、 一流の戦士として認められ、な おも渋る父親を尻目にエヴェルとの結婚を果たす。 『赤枝の騎士団』のリーダーとして戦場でも華々しく活躍し、 ケルト戦士のステイタスである「斬首くらべ」でもアイルランドの第一人者と称えられた。

 

また、最後の戦いとなったコノートの女王メイヴとの戦いで、クー・フーリンは肩と手が萎える魔法をかけられる。味方であるアルスターの戦士たちは、戦争の女神ヴ アハの呪いで参戦できず、クー・フーリンに求愛を断られた女神モリガンの妨害もあっ て、戦況はますます悪化していた。そんな状況でもクー・フーリンは勇猛果敢に戦った。

苦闘するクー・フーリンの最期を決定づけたのは、ケルトの戦士にとって神聖な誓い であるゲッシュを破らされたことだった。誓いにより詩人の言葉に逆らえないクー・フーリンは、メイヴの手先となった吟遊詩人レウィによりゲイ・ボルグを奪われたの だ。そして、敵の投じたゲイ・ボルグによって腹を刺し貫かれる。 瀕死のクー・フーリンは、柱に自分を縛りつけて最後まで戦い、立ったまま絶命した。

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