伝説の武器・防具

真の王者を見抜く、伝説の聖剣 エクスカリバー

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真の王者を見抜く、伝説の聖剣
エクスカリバー

円卓の騎士物語で知られるアーサー王と、彼が使った聖剣エクスカリバーは、中世ヨーロッパの騎士物語に登場する戦士と、その武器としては、もっとも有名なものである。エクスカリバーは、王権を象徴する剣であり、また、妖精の加護によって王を守る力をもった、神秘の剣であった。

その鞘には宝石の飾りがほどこされ、柄には顎から炎を吹きだす、二匹のヘビが彫られていた。この剣が鞘走る(刀身が鞘から自然に抜けでる)とき、燃え上がるようであったという。

そしてアーサー王は、この剣で九百六十人もの敵を斬り倒したとされる。

ふたつの剣を持っていたアーサー王

アーサー王は、ゲルマン人がブリテン島に侵攻した五~六世紀の人物とされる。
当時イギリスという統一国家はまだなく、そこは、西ローマ帝国の崩壊以来、ケルト族、ゲルマン人が入り乱れて争うヨーロッパの辺境だった。

そんな戦国群雄のひとり、アーサー王は、イングランドを治めるケルト族のウーサー・ペンドラゴン王の王子として生まれる。数奇な運命により、王の側近であった魔術師マーリンによって城外に連れだされ、勇敢な少年として育った。

アーサーが成長したある日、教会に「選定の剣」なるものが置かれる。岩に突き刺さったこの剣を抜けるものは、ブリテンの王になるというが、誰も引き抜くことができない。ところがアーサーは、これをたやすく引き抜き、王の継承者となる。
異説が数多くあるが、このとき彼が岩から引き抜いた剣がアーサー王の伝承にはエクスカリバーなのかといえば、そうともいえるし、またそうでないともいえる。
この選定の剣は、カルブリヌスと呼ばれる。アーサー王は戦いのなかで一度この剣を破損してしまう。だが、マーリンの助言に従って剣の破片を湖に投げ入れると、
「湖の乙女」と呼ばれる妖精が現れ、エクスカリバーを授けたという。
エクスカリバーという名は、「カルブリヌスから作り直された物」を意味するという。

また、叙事詩『アーサー王の死』では、アーサー王が持つふた振りの剣は、それぞれ、クラレント(戦争)とクラリス(平和)と呼ばれる。エクスカリバーは、強力な武器であるだけでなく、その鞘には、妖精の加護によってあらゆる傷を癒す力があった。アーサー王の剣は、国と民をおびやかす敵を討つことと、平和的な統治、という、王が為すべきふたつの義務、二重の象徴を背負った剣だったのだ。
ちなみに、アーサー王の物語が現在のように確立したのは、十一世紀ごろとされる。だが、岩(あるいは鉄床)に刺さった剣や妖精の加護といったモチーフは、キリ スト教普及以前の、古代ケルトや古代ゲルマン神話の多くにも登場している。

授かった剣を返した王

アーサー王は、盟約を結んだ円卓の騎士たちとともに祖国イングランドの安定を めざした。また、彼らは、敬虔な信仰心と正しい騎士道精神を手に入れるため、神 託によって課せられた聖杯の探求など、数々の試練に挑んだ。

だが、義姉モルガンとの確執、親友ランスロットの裏切りなどにより、アーサー 王は志なかばで世を去ることになる。

最後の戦いののち、死を悟ったアーサー王は、その忠実な従者サー・ペディヴィ アに、エクスカリバーを妖精の湖へと返すように命じた。しかし、ペディヴィアは、 この剣を捨てるに忍びず、木の陰に隠したまま王のもとへ戻ってしまう。だが、 アーサー王はペディヴィアが剣を捨てなかったことを見抜き、ふたたび同じことを 命じるが、ペディヴィアはふたたび、剣を捨てないまま帰ってきてしまう。

王の怒りによって、ペディヴィアがようやく剣を湖に投げ入れると、水面から手 が現れ、剣を受けとって三回振り、そのまま湖水へ消えたという。

その後、英国ではケルト族の文化がしだいに衰退してゆく。だが、アーサー王と、 王者の剣エクスカリバーの伝承だけは、今なお長く愛され続けている。

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