主の命を奪う、呪われた妖剣 テュルフィング
テュルフィングは、北欧神話で、オーディンの血を引くスヴァフラーメが、ドヴアーリンとドゥリンというふたりの小人に作らせた剣だ。柄は黄金で、鉄を衣服の ように切り裂き、けっして錆びることもなく、必ず勝利をもたらす剣だった。

ティルヴィングを手に入れるスウァフルラーメ
だが、その力は恐ろしい代償を必要とする。じつはふたりの小人は、この剣に呪 いをかけていた。それは、この剣は一度鞘から抜かれれば必ず誰か殺さねばならず、 持ち主の望みを三度までは叶えるが、最後には主の命を奪うというものだ。
スヴァフラーメは、この剣で数々の勝利を得たが、巨人族の仲間アルングリムと 戦ったさい、テュルフィングを奪われ、自分の剣で殺されてしまう。
その後、テュルフィングはアルングリムの一族に継承された。しかし、彼の一族 も、狂戦士ベルセルクと化しやすい血筋になる。そのひとりヘイドレクがこの剣を 手にして狂乱に陥り、兄弟を殺してしまうなど、惨劇は繰りかえされた。結局、アルグリムの一族は内紛から滅ぶ。彼らは剣の呪いを知っていたのだろうか?